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第6話 VS キングオーク①

Author: まるた
last update publish date: 2026-10-13 19:07:00

「ボォォォオオオアアアア!!!!」

金棒を持つキングオーク。その叫び声で、床や壁は地震が起きたように震動する。

「ぐあっ!」

「耳が……」

冒険者たちは耳を塞ぐ。その瞬間、キングオークはその場から姿を消した。

——いや、消えたのではない。

「はやっ……!」

キングオークは、冒険者の先頭に立つミナトの眼前に移動していた。

振り下ろされる金棒。

すんでで避けるミナト。

それは、耳元で風を切る。

すぐに翻ると、ミナトはキングオークに手を翳した。

「ウィンド!!」

「ボウッ」

キングオークの顔面に命中する。が、その体躯だ。嫌がるような表情を見せるが、微動だにしない。

「グオオオ!!」

その雄叫びに合わせて、再び金棒が向かってくる。キングオークの薙ぎ払いだ。ミナトは掌を広げると、今度は地面に翳す。

「ウィンド!」

地面に向けられた風魔法は、突風となりミナトの体を持ち上げた。ふわりと舞い上がり、キングオークの金棒を避ける。

ミナトを見失ったのだろう。キングオークは眼下で激しく首を振っていた。

——今だ。

キングオークの頭上から、ミナトは自由落下していた。剣先を真下に向け、頭蓋を狙う。

「トツ・スタブッ!」

ミナトの剣先はキングオークの頭を掠め、右肩に命中した。

「ブオオアアア!!」

くそ。ギリギリで避けたか。

ミナトは風魔法を駆使し緩やかに地面へと降りると、バックステップで距離を取った。

キングオークの肩からは、血が流れている。しかし、動きを確認するように右腕を動かすと、先程と変わらずに金棒を握り直した。

「はあ、はあ」

致命傷には至っていないか。あの大きさ、火力が足りない。どうにか冒険者の中に高火力を出せるやつは……。

ミナトは後ろに首を回した。

「な、何だよあれ……」

「無理だろ、あんなの」

しかし、冒険者はほとんどがD級。高火力はおろか、武器を構えているものさえ少なかった。

……どうする。俺だけじゃ良いとこ互角だ。

すでに観客と化した後ろを見限るように、ミナトは視線を前方に戻した。

すると、キングオークは、何やら不気味な表情を浮かべた。

「ブヘァァアア」

なんだ。細めた目と這い出る舌。

まるで……いや、そうだ。あいつ、笑っている……?

「バアッ!!」

ミナトが気づいた時には、すでにキングオークは天高く跳躍していた。

は……? あいつどこに……?

それはミナトを軽々と越え、背後に着地する。

「うわ! こっちに……!」

冒険者の声。

くそ、そういうことか!

「逃げろ!」

ミナトは叫ぶ。しかし、キングオークはすでに金棒を振り上げていた。

「ウィンド!!」

ミナトは背後に掌を向けると、その突風で飛ぶように駆け出した。しかし、遠くに映る視界には、すでに振り下ろされる金棒。

ダメだ、間に合わない……!

その瞬間、視界の端から何者かが横切った。

「ディフェンサー!!」

響いた声は、女性のものだろうか。直後、振り下ろされた金棒と同時に爆発音が部屋を覆う。

「きゃあっ!!」

女性の叫び声と同時に、キングオークの陰から人影が吹き飛ばされる。

あの攻撃を受けたのか……? 何にしろよくやった。

ミナトが走りながら目を凝らすと、そこには見覚えのある盾姿が映った。

まさか、あいつは……!

「アホタンク!!」

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